
この想いはいつまでも
恋愛感情
夢なら覚めないでと何度願っただろうか。瞼を開くたび君の姿がある。
これが夢でも現実でも、愛しい君に逢えるのなら僕は幸せなのかもしれない。そんな、女々しい事を考えてしまった自分に嫌気がした。
こんなことを考えるようになったのは僕が八葉と知り、神子――望美さんと出会ってからだ。
昔はそんなこと考えもしなかったし、感じたりもしなかった。女性といるのは自分の欲求を満たす為と情報収集の為としか思わなかったのだ。
だから僕は今幸せなんです。あなたを知って、あなたに会えて。
最後に望美さんの姿を見ようとしたが、もう目を開くことが出来なかった。
始めて会ったときからまるで先がわかるかのように、彼女は行動した。
僕の戯れに頬を赤く染めてくれるが、時折揺るぎない真っすぐな視線で見つめられる。
「君は――その眼差しで、僕のどこを見ているのです?」
僕自身を見ないでどこか遠くを見ているその瞳は何を写しているのですか?
「どこだろう。・・・この先の、未来の弁慶さんを見ているのかもしれない」
「未来の僕? それは――」
「きっと、あなたを守ってみせます」
決意を表すように望美さんは言った。
「それは僕が言うことですよ」
苦笑い混じりで答えると彼女は悲しそうな笑みを僕に向けたのだ。


